「とあるパーティで。」
天気のよい午後。オフィスで水遣りをしていると、電話がかかってきました。声の主は東京の友人。某広告代理店の局長といつぞや紹介したその方です。わたしたちは、世界のレーシングシーンが、甘く美しいモエの黄金の泡にまみれていた80年代の、いまだにその酔いから覚醒できないほどの飲みっぷりだったのでした。まさにそれは光と影のようなことだったのでしょう。そうしたなかで活躍していた多くの友人たちは、今は訃報のたびに顔を合わす程度なのだといっていました。その親しい友人がカメラマンの原富士雄さんとパーティの席で交わしたという話。言わずと知れた原カメラマン。モノクロームのような写真を撮ります。雨のレースを好んだと自らも語っています。
「広告には使いにくい写真なんですよねえ。」と友人。彼も某レーシングチームの運営を担当していた時代も短くはありませんでした。そんなわたしたちが「F1の光と影」などと語るのは、きっと原さんの写真に影響されているからかもしれません。もしも許可が出ればこのサイトで、未公開の写真展をさせていただければと思っています。粗れた画面の持つ想像力は、簡便な写真になれた今の時代には、案外新鮮な衝撃となるやも知れません。
ところでホンダがF1を去らなければ、2009のシーズンにHONDAはジェンソン・バトンとブルーノ・セナの二人のドライバーを走らせる予定でした。原カメラマンは、とあるテストでファインダー越しにブルーノ・セナと目があったのだそうです。そして軽い戦慄を覚えたというのです。その目はまさにアイルトン・セナそのもの。一瞬間、原さんはうろたえたに違いありません。そしてその目の持ち主は、あとで原さんのところまでやってきて「良い写真が撮れましたか」と聞いたといいます。アイルトンの目をしたブルーノ。数限りなくアイルトンのレーシングシーンをシュートしてきた原さん。そのお話を又聞きしただけでも、どれほどの話か分かります。「邂逅」とは、こうした時間のいたずらのなせる業。ブルーノが叔父の知り合いのカメラマンだということを知る由もありません。
時代というか時間という存在は、理論物理学的な難題だと聞いています。しかし時間もまた流れていくだけのものではなく、繰り返されているのではないかという思いがします。こうしたストーリーは時間が醸成していくものでしょうし、ブランディングもまたこのようなものかもしれません。
No.024 09/04/23
Creative Director 山田 徹 Yamada Tetsu 株式会社グローブコンペティション代表取締役
最近(2008年4月)事務所を郊外に移転しました。そこは趣味のラリーマシン製造のために田舎に所有していた鎮守の森の前にある自動車工場を大改造して制作。本来デザイナーの腕としては自信がある?ものの今回は「原則として廃材や貰い物で、作る。図面は引かない!行き当たりばったりで作る」というコンセプト。友人の世界的建築家の有馬裕之氏も「・・・・」と大納得?の新オフィスで、いまだ未完成の部分をどうしようかと悩んでいるようです。その有馬氏は、ここにリエゾンオフィスを置こうかと思案中とのこと。特に表に向けて閉鎖的、裏に向けて開放的!!?な事務所。来る人を阻み、来た人を快適に、が特徴だそう。
1階はベランダ部分が主な打ち合わせスペースですが、目の前はすぐ鬱蒼とした森。ベランダからはすぐに小径があり、鎮守の森の散歩が出来ます。またこの森は特に小鳥が多く、午前中は素晴らしい鳥の鳴き声で至福の時間が得られます。椅子は本人がコレクターだというだけあって、ものすごくたくさんあります。今度はデザイナーや建築家と林業関係者らとのコラボレーションで「木の椅子」を展開するプロジェクトも進んでいます。さらにはツリーハウス・プロジェクトは、都市と中山間の交流促進と、ただの遊び場ほしさの提案が進んでいます。さらに四国八十八カ所にならった?小さな山の中のトレイルを作ろうと考えているようです。
基本的には読書が趣味ですが、1年のうちの半分近くを旅と読書で過ごしています。クリエイティヴディレクター、コピーライター。時々イラストも描きます。環境問題は25年前から積極的だったのですが「最近はヒステリックな温暖化原理主義はいかがか?」と思案中。環境に特化した地域のフリーマガジンを計画中!なのですが、「環境問題はなにが問題なのか」みたいな切り口ではじめたいらしいので、しばらくしたらこのウェブサイトでも事後報告が出来るかもしれません。どうぞこれからもよろしくお願いします。
09/03/03
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