「砂漠化とブランディング」
帰国いたしました。何をしていたかというとですね、ゴビ砂漠を2週間5000kmばかり走り回っていました。これは私どもの会社のもうひとつの事業部門SSER
ORGANISATIONが1995年より提案し主催開催運営を行いるものです。今回はその国際ラリーの開催準備のための試走というものです。頂点をパリ・ダカール(現在は南米のダカールという名称の開催)とするクロスカントリーラリーなのです。
そこでいつも考えるのがラリーのブランドです。人々は何を求めてどのラリーに参加するのか?これまでの答えは明確でした。その回答は「パリ・ダカール」です。80年代後半には「いつかはパリダカ」などという言葉が良く聞かれたものです。過酷で危険な場に身を置きたい。安全な世界に暮らす現代人の冒険心をくすぐり続けました。ただ唯一パリダカだけがなのです。
これはヒマラヤ遠征に良く喩えます。世界に8000mを超える神々の座と呼ばれる高峰は、14座あります。どの山々も魅力的でかつ危険なものばかりです。しかし最高峰のチョモランマは、圧倒的な数のクライマーが訪れます。近年は観光ガイドツアーと揶揄されるごときです。これは圧倒的なブランド力だから仕方ないのかもしれませんが、人々の行動決定のメカニズムの簡単さも透かせて見せてくれます。パリ・ダカールの人気もこれに類似しています。しかし物理的に世界一高い山とは違う側面があります。パリ・ダカールは、世界一過酷と評価されていますが、それは絶対的なものではありません。またその過酷さが人気を集めるという価値観もまた絶対的なものではないのです。
最近ブランディングには大きな変化が見えてきているように思います。だいいちゴビを走りながら考えたことの一つが、外部の手によってなどブランディングはもう存在しないのだという思いです。
だから私どもも簡単にブランディングなどという言葉を使わないようにしようと考えました。ブランディングこそが強い企業を作る!だの不況に負けないブランディング戦略!など噴飯ものです。ブランドは、作り手のあくなき表現力とたゆまない努力。そして絶対に譲ることのできない信念とその行動の結晶です。
それは砂漠化にも似たブランディングなどという甘い幻像とはかけ離れたリアルで苦悩の日々です。そこらのデザイン事務所や広告代理店なんぞが「ブランディング」なんて言うのであれば、ブン投げてやりましょう!!ソンナモノデハナイと。
写真はカンチェンジェンカ、世界第3位の高峰8586mダージリンの丘陵地帯からも見えることで有名な美しい山ですが、知名度でエベレスト(チョモランマ)を100とすると、おそらく10以下ではないでしょうか?
No.035 09/06/19
Creative Director
山田 徹 Yamada Tetsu 株式会社グローブコンペティション代表取締役
最近(2008年4月)事務所を郊外に移転しました。そこは趣味のラリーマシン製造のために田舎に所有していた鎮守の森の前にある自動車工場を大改造して制作。本来デザイナーの腕としては自信がある?ものの今回は「原則として廃材や貰い物で、作る。図面は引かない!行き当たりばったりで作る」というコンセプト。友人の世界的建築家の有馬裕之氏も「・・・・」と大納得?の新オフィスで、いまだ未完成の部分をどうしようかと悩んでいるようです。その有馬氏は、ここにリエゾンオフィスを置こうかと思案中とのこと。特に表に向けて閉鎖的、裏に向けて開放的!!?な事務所。来る人を阻み、来た人を快適に、が特徴だそう。
1階はベランダ部分が主な打ち合わせスペースですが、目の前はすぐ鬱蒼とした森。ベランダからはすぐに小径があり、鎮守の森の散歩が出来ます。またこの森は特に小鳥が多く、午前中は素晴らしい鳥の鳴き声で至福の時間が得られます。椅子は本人がコレクターだというだけあって、ものすごくたくさんあります。今度はデザイナーや建築家と林業関係者らとのコラボレーションで「木の椅子」を展開するプロジェクトも進んでいます。さらにはツリーハウス・プロジェクトは、都市と中山間の交流促進と、ただの遊び場ほしさの提案が進んでいます。さらに四国八十八カ所にならった?小さな山の中のトレイルを作ろうと考えているようです。
基本的には読書が趣味ですが、1年のうちの半分近くを旅と読書で過ごしています。クリエイティヴディレクター、コピーライター。時々イラストも描きます。環境問題は25年前から積極的だったのですが「最近はヒステリックな温暖化原理主義はいかがか?」と思案中。環境に特化した地域のフリーマガジンを計画中!なのですが、「環境問題はなにが問題なのか」みたいな切り口ではじめたいらしいので、しばらくしたらこのウェブサイトでも事後報告が出来るかもしれません。どうぞこれからもよろしくお願いします。
09/03/03