「四国の光と影」

1年前、東日本大震災のあとのTBIは、スタートを畿内として、ささやかな鎮魂の思いを秘めて高野山奥の院を通った。おりしも山門の桜があまりにも見頃だった。何か日本人としての感性を揺さぶられた。そしてかなうならば今年もその桜を見たいものだと思った。

昔バイクの一人旅の途中、一人散り始めの桜の木の下でビバークしたことがあった。寒さで夜半に目を覚ますと凄絶な桜の散り際に息を呑んだことがあった。こうして、多くの事象は私たちに何かを語りかけ問いかけているのかもしれない、と思うようになった。

高野山は言うまでもなく、弘法大師空海が開いた真言密教の世界だ。誤解を恐れずに言えばテーマパークだ。数百年の時を超えて人々が訪れる。その密教は「密なるものの語る声は密か」だという。

つまり我々は常に(自然界や祖先の生きようなどから)多くの学ぶべきことを語りかけられているのだが、それは良く耳を傾けなければ聞き逃してしまう。とまあそういう意味だ。今の言葉でいうと感性とか感受性はありやなしやと問うているということだ。

そして空海が開いた四国遍路の旅をモチーフとして築いてきたTBIも、はや24年の年月を重ねた。

ずいぶんと、その光と影を見てきた。

見てきた事に、何かを感じるか感じないかはまた私たちの感性に委ねられているといって良いだろう。

ともかくTBI24th.その旅は、私たちに少なくない人生のありようを語りかけた。そして今年もその旅に出よう。

(Text:Tetsu YAMADA)

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「奥の院、密かなるものの語る声は静か」DAY-1 4/29 200.31km DIRT 7.63km

昨年より新しくなったフォーマットは、河内長野のプラザ阪下をスタート会場としプロローグのSS-1をこなし、高野山に向かうというもの。途中では尾根まで登るダートで高野山、奥の院へ向かう。遍路の「逆うち」の旅のはじまりだ。ドラマで盛り上がった岸和田を抜け、地中海を渡るフェリー乗り場へ急ぐ。

「道後温泉をかすめて行く」DAY-2 4/30 394.65km DIRT 91.24km

フェリーを飛び出せば、そこは陽光の四国路。海と山が目まぐるしく交錯する四国ならではの美しい光景が織りなす。そして、松山へ。小高い山の上から松山の全景を見る一瞬がある。道後温泉本館の横を抜け、石手寺、西林寺と名だたる遍路の名刹を抜け久万高原へ。おりしも全日本ラリー選手権と超ニアミス。そのあとは深い山々に分け入る。たっぷりのダート、変化にとんだルート構成が四国の印象を深めていく。

DAY-3 5/1 513.12km DIRT 76.65km「時代を動かした人々の道。」

耳を澄ませば、時代を駆け抜けた男たちの息吹が聞こえる。1866年、大洲藩は坂本龍馬の仲介でイギリス船を購入。船名を「いろは丸」とした。大洲藩は海援隊にこれを貸与する、

なんていう維新にかかわる事件の舞台もこのエリアだ。「龍馬がゆく」「坂の上の雲」と四国に縁の深い司馬遼太郎の愛した木屋旅館の前もルートに組み入れてある。そして龍馬脱藩の道を遡る。ビバークははるか太平洋の彼方を見晴らす海のキャンプだ。

 

DAY-4 5/2 498.84km DIRT 99.76km「太平洋をゆく」

朝はまさに太平洋を行くのだ。幕末の志士たちのように洋の彼方に思いをはせて足摺の金剛福寺で、空海と出会う。「所願成就」と書かれた碑に遍路の旅の疲れをいやす。いくつかの札所と名だたる林道群を走り、初がつをの用意されたビバークへ、暖かな光と芝生の上のビバークだ。

DAY-5 5/3 472.40km DIRT112.87km「九州で約束した吉井勇記念館」

この日は、遍路を辿らず、ダートライディングに明け暮れる1日だ。比較的整備された朝のSSを終えれば、長い道のりに備え燃料を入れる。九州の天主堂にあった記念碑の主「吉井勇記念館」を通り、再び山へ入る。そういえば吉井の父は薩摩藩士で龍馬とは親しく、勇は最初の妻は土佐の香美郡出身の女性。桂浜には吉井の句碑も龍馬像の近くに立っていた。「土佐の 海を見むとてうつらうつら桂の濱に われは来にけり」

DAY-6 5/4 354.07km DIRT60.59km「旅は四国三郎で終わる」

少しダート比率の下がった今大会はそれにまして走行距離が増えた。少しずつ整備が進む3ケタ国道も残念な気持ちだ。いくつもの取り残された限界集落を見た。人の暮らしも変わったのだが、それも行き詰っている。小さな日本の縮図のような四国は、美しい山河とそこにつつましやかに暮らす人々の美しい調和に、旅人達は心奪われていたのだ。遍路の旅は「同行二人」と言われている。自分には信じる人がついているから寂しくないのだと。最終日、旅を振り返りつつゴールのフラッグをくぐる。ひょっとすれば、ささやかな安堵と満足感に心が癒される。

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TIME SCHEDULE
日付 内容
4/29 SUN 10:00~13:00 受付・車検
  11:30~12:30 昼食
  13:30~14:00 ブリーフィング 
  14:30~ グランドスタート
※スタートはゼッケン順で30秒間隔にて1台ずつスタート。
4/30   日程2日目
5/1   日程3日目
5/2  

日程4日目

5/3   日程5日目
5/4 FRI   表彰式・閉会式
全ての参加者がゴールした後、表彰式・閉会式を予定しております。全参加者の到着状況などで4日に行えない場合は、5月5日の午前中となります。
ROUTE DISTANCE
Days Date Distance &
Net Dirt
Start time CP
1 4/29 200.31 7.63 14:30 1
2 4/30 394.65 91.24 6:00 2
3 5/1 513.12 76.65 6:00 2
4 5/2 498.84 99.76 6:00 2
5 5/3 472.40 112.87 6:00 2
6 5/4 354.07 60.59 6:00 2
Total 2,433.39 448.74   11

 

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